学校関係者の方々へ
平成25年度より、厚生労働省はサポートステーション事業の一環として、新しい枠組みを導入しました。それが、サポステ学校連携事業です。サポートステーションと学校が連携し、中退者や、中退が危ぶまれる生徒、進路なき卒業生、学業不振や生徒指導に乗れない生徒、対人関係が苦手でつまづいている生徒など、学校の先生方のご尽力にも関わらずこぼれてしまう生徒さんに対して、サポートステーションがキャリアカウンセリングやキャリア形成プログラムを通してお手伝いさせていただくものです。
90年代の景気後退を契機に、企業の新卒採用重視の傾向は減退し、フリーターが急増しました。フリーターの増加を追いかけるように注目されてきたのが若年無業者の数字です。
(右表:総務省「労働力調査」)
平成24年の統計で
15~34歳の若年無業者は63万人。
15~34歳人口に占める割合は2.3%になります。
いわゆる引きこもりや対人関係が苦手なタイプだけではなく、フリーターの行き詰まりから慢性的な無業状態になるケースも少なくありません。特に高校卒業・中退から何らかの理由で進学できないためにフリーターとなるケースでは、自分の将来への不安や自己有能感の不足、実際の資格や職能の不足などから閉塞感に陥り、数年以内に無業状態になってしまうことが多くあります。一度学校を出てしまうと、仕事選びや就活を支援し相談できる機関は少なく、サポステの存在も知らないと、社会的に孤立してしまいがちです。
若年無業者を対象とした意識調査(労働政策研究・研修機構)によると、希望職種の質問に対して、若年無業者の50%以上が「こだわっていない」と回答しています。これは、どんな仕事でも就くという積極的な意思表示ではなく、就職が現実的ではないために仕事を絞ることができない、あるいは、経験や自信がないために何が自分にできるのかわからないという意識から生まれる選択肢だと考えられています。明らかに、就職して社会的自立をする準備がまったくできていない状態のまま、学校の外に出てしまったことを物語っています。
サポステの学校連携事業は、サポステでの支援の後、復学、転学、進学などで教育機関に戻すこと、もしくは適切な職業訓練などにつなぐことで、若年無業者の防止に努めています。
学校関係者の方々へのお願い
サポステ学校連携事業における「学校」とは、中学(卒業時)、高校、専門学校、大学ほか、各種学校、職業訓練校など広く教育機関全般を指し、対象としています。
1以下に挙げるような生徒・学生がいらっしゃる場合には、是非サポステにご連絡をください。すぐにご担当の先生と情報交換を図りながら、生徒さんの支援にあたらせていただきます。
- 進路を決定することなく卒業しそうな生徒
- 中退・あるいは中退しそうな生徒
- 引きこもりや不登校などで生徒指導がいっこうに進まない生徒
- 仕事選びに悩む卒業生
2フリーターとして学校を出る生徒さんには、少なくとも、サポステという無料相談機関が存在し、いつでも仕事選びの相談に乗ること、資格取得や技能習得をするプログラムがあることを、生徒さんにお伝えください。
3学校の進路指導の一環として、キャリア啓発の授業を企画していただければ、専門の相談員を無料で派遣させていただきます。お気軽にご相談ください。
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